2006年02月06日
「ありがとう」感謝の気持ち
わたしはよく、大型インターネット書店の Amazon.co.jp を利用して中古本を買います。売りたい人がホームページに情報を掲示し、それを見てその本を買いたいと思った人が書店を媒介にして本を買う、そのようなシステムになっています。手持ちの本を売るために情報を掲載している人の中には、古本屋を営んでいる方もおられますし個人の方も大勢おられるようです。時には新品同様の本を安く手に入れることができるので非常に重宝しています。
とある日、欲しい本が中古として安く販売されているのを見つけたので、さっそく購入手続きをしました。取り引き相手は個人の方でしたが、手続きしてから約3日ほどで無事に本が届き、さっそく荷物を開封して中身を確認してみました。すると、本と一緒に自筆の手紙が添えられていて次のように書かれてあったのです。
「購入してくださってありがとうございます。この本があなたのためになることを祈っております。」
わたしは嬉しくなり、電子メールで売ってくれた方に本が無事に届いたことの報告とお礼を兼ねてメッセージを送りました。するとすぐに
「わざわざ到着のご連絡を頂き、有り難うございます!本を通じて、場所を越えて人と繋がることが出来るというのは、本当に素晴らしいことだと思います。○○様(わたしの名前です)に買って頂き、私も感謝しております。」
と返事が届いたのです。きっと相手の方はこころ豊かな人なんだろうな、としみじみ思いました。たかだか一冊の古本の売買だったのですが、とても心が暖まりなんともいえない心地よさを感じたものです。
「ありがとう」という感謝の気持ち…。じつはわたし、20代なかば頃まで「ありがとう」というたった一言がなかなか言えませんでした。人からなにかをしてもらっても「あ、どうもすいません」と言っていたのです。心の中では「ありがたい」と思っていても、恥ずかしかったのか照れくさかったのか、今となってはどのような感情だったのか分かりませんが、とにかく「ありがとう」が言えなかったのです。そういえば子供の頃、親戚のおばさんからお菓子やおもちゃをよく貰ったのですが、そのときも「ありがとう」を言わなかったため、母親から「こら!ありがとうって言いや!」と怒られたものです。そんなわたしが「ありがとう」と言えるようになったのは以下のようなキッカケがあったからです。
同じ職場に3つ年下の後輩がいました。彼は居酒屋で飲み食いしたときも、店でなにかを買ったときも、高速道路の料金所などでも必ず大きな声で「ありがとう!」と元気よく言います。最初そんな彼を見ていて「どうしてお金を払っているのに“ありがとう”と礼を言うんだろう?」と疑問に感じていました。人から何かを貰ったり、なにかをしてもらったりしたときに「ありがとう」というのは分かるのですが、お金を支払っていることそのものが報酬であるわけで、そのようなケースで「ありがとう」と言うのは変じゃないか、と考えていたのです。ところが彼と行動を重ねるうちに「あること」が分かりました。
彼のよく行く店のほとんどの人が彼のことを覚えています。彼が店に入ると「いらっしゃい!今日は何を探しに来たんや?」とか「今日はいちだんと冷えるねー」とか、店の人から話しかけてきます。彼が出入りする店の中には、わたしが彼を連れて行って紹介した店もあるのですが、その店でもわたしよりも彼のことを覚えていたことがとてもショックだったのを今でも覚えています。
どうして1~2回行くだけで店の人に覚えてもらえるんだろう?
とくに彼の方から店の人に話しかけているわけでもないのに、いったいどうして?
そんな疑問を抱いていたある日、彼を含めて数人の職場仲間と一緒に居酒屋で飲み食いして店を出ようとしているときのことです。みんなで割り勘にして会計を済ませた直後、その彼がいつもどおりに大きな声で「ありがとう!」と言います。すると、店のおばちゃんがにこやかな表情で「いつもありがとう!また寄ってなー」と返しているのを見て、わたしは「これだ!」と思ったのです。もしかすると「ありがとう」という言葉は、人と人をつなぐ魔法なのかも知れません。なかなか「ありがとう」と言えなかったわたしですが、これをキッカケにしてあるとき意を決して「ありがとう!」と言ってみました。実際に言ってみて、すごく気持ちよかったのを今でも覚えています。それからはずっと、お金を払うときに必ず「ありがとう」と言うようにしています。有料道路やコインパークの現金回収機に対してもついうっかり「ありがとう!」と言ったことがあります(笑)
たしかに商品を買ったりサービスを受けたりするときに対価としてお金を支払うのは当たり前です。しかしよくよく考えてみると、お店の雰囲気や料理の味、そして明るく対応してくれた店のおばさんたちのおかげで、わたしたちは楽しいひとときを過ごすことができたわけです。これ以外についても、わたしたちに食べ物を提供してくれている農家や漁師の方、市場や問屋、スーパーやデパート、あらゆる交通機関、その他もろもろが当たり前のようだけれども、わたしたちの様々な欲求を満たしてくれています。現在はとかく「無いもの」にばかり目がいって不満を抱いてしまいがちですが、ちょっと身の回りを見つめ直して「有るもの」に目を向けてみるといいかも知れません。「ありがとう」は言った人にも言われた人にも幸せを運んでいる、そのようにわたしは思っています。もし、以前のわたしみたいに「ありがとう」と言えない人は、ぜひ勇気を出して言ってみてください。たったこれだけでも人生が変わるほどの感動を覚えることでしょう。
いま「有るもの」に目を向けてみよう。
そして、それが「有ること」について心から感謝しよう。
- by しんいち☆
- at 2006年02月06日 20:40
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